強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
はあぁと先ほどよりももっと深いため息をついて項垂れた西野君。
その肩を叩きながら励ましのエールを送る凪君。
あんな態度をとってしまうゆきのもゆきのだけど…ちょっとわかる気がする。
ゆきのだって本当は西野君が大好きなのに、いざ好きな人からこうやって来られるとどうしていいかわからなかったのだろう。
ゆきのみたいなタイプの子は自分からアタックって感じだからなぁ…
「西野君、ゆきのね…西野君のこと嫌ってるわけじゃないから安心して大丈夫だよ」
「マ、マキちゃーん…」
情けない声を出して私を見上げる。
その瞳は少しばかり潤んでいて…
カッコイイ男の子も恋愛となればこんな風になってしまうのか、と可愛く見えた瞬間だった。
しばらく3人で話していると、ちらほらクラスメート達も教室に入ってくる。
それに混じってあまり目立たないようにしながらもゆきのもトイレから戻ってきたようだ。
私は二人にバイバイと手を振ってゆきのの元へと向かった。