強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
なぜ准一さんが私の髪の毛を引っ張るかというと…
お風呂上がりですぐに乾かさない私の髪の毛を准一さんがタオルで拭いてくれているからだった。
時々強めに引っ張られて、髪の毛抜けすぎてハゲになったらどうしてくれるんだろう。
「で、准一さんはどう思う?」
私は風呂上がりのアイスを頬張りながら准一さんを見上げた。
「どうって?」
「今の話聞いてなかった?ゆきのと西野君の…」
「たかが高校生の恋愛だろ?初々しいな」
それだけ言って再び私の髪の毛をわしゃわしゃとタオルドライする。
私はもっと、大人の目線からアドバイスが欲しかったのに!
「そうじゃなくてー…准一さんならどうします?っていう」
「何。マキは俺にアドバイスでもしてほしいわけ?」
見上げた先、准一さんの顔…口元は少し引き攣っていて嫌そうだった。
でも私はめげない。
「そう、大人の意見ってものを下さい」
「んー……」
そう力強く言えば、何を思ったのか髪の毛を触っていた手がピタリと動かなくなり唸る。