強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
ブォオと暖かい風が私の髪の毛をすり抜ける。
「マキの髪の毛は柔らかくて指通りが良いな」
「癖があるから湿気とかですぐ跳ねちゃうし私はあんまり良いとは思ってないけど…」
優しい手付きで私の髪を撫で丁寧に乾かしてくれる准一さん。
触れられるたびにドキドキする心臓。
准一さんの手が髪の毛を梳いて頭を撫でるたびにうるさくなる。
ドキドキしてるのをバレたくなくて平常心を保ちつつ私はさっき言われた言葉を思い出していた。
最終的に決断するのは二人だけど、見ているこっちも気が気じゃない。
"付き合ってみなきゃわかんない"かぁ…
明日ゆきのに言ってみよう!
ぐっと両手の拳を握りしめていると准一さんに「何ガッツポーズしてんの?」と頭を小突かれた。
「それよりマキ。もうちょっとでテストだよな?」
「テスト…?」
ピタリと准一さんの手、私は首を傾げる。
テストって何のこと?