強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「お前まさか忘れてるわけじゃないよな…うちの学校のシステム」
「学校始まったばっかりなのにもうテストあるの…?」
経験上、テストというものは夏休みの始まる少し前にやるものだと思っていた。
でも確かこの学園は───…
「そういえば先生、1ヶ月後にテストするって言ってたかも…」
ハッと思いだして背中に冷や汗を掻いた。
そういえば今日の帰りのHRでそんなこと言ってたかもしれない…
どうしよう!?と准一さんの方へゆっくりと首だけ振り返ると…
キラキラの笑みを浮かべながら私を見下ろしていた。
「じゅ、准一さん?」
「俺はまだマキの実力を知らないからなぁ…涼子さんもマキの成績についてはあんまり言わなかったし」
顎に手を当ててうーん、と唸り何かを考え始めた。
時たま私の方をチラリと見下ろしてはテレビへと向き直る。
確かにママはあんまり私の成績については口出ししてこなかったかも。
王冠学園に入りたいって言ったのも自分からだし…それだけは必死に頑張った。
「まぁ、楽しみにしてるよ」
「何を?」
「ほら、俺一応理事長だから進学校の質を落とさないためにも生徒の成績をしっかりチェックしなきゃいけないからな」