強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
ポンポンと頭を強く撫でられ私は目をしぱしぱさせた。
そうだこの人、学園の理事長だった…
まさかその仮にも妹の立場である私が酷い点数を取ってしまったら申し訳ない。
「私…ちょっとマズイ、かも」
ぽろっと溢れた呟き。
准一さんはそれを聞き逃さなかった。
ぐいっと腕を引っ張られて床からソファーへと引き込まれる。
すると体は自然と准一さんに抱きしめられる形になっていて…
ふんわりと准一さんの香りが鼻を掠める。
「─────…俺が教えてやろうか?」
真正面にある綺麗な顔。
ドキドキ高鳴る胸。
その開いた口から溢れた言葉に私は動きを止めた。
「教えて…くれるんですか?」
「マキがどうしてもって言うのなら考えなくもない」
「本当に?!ぜひっ!お勉強教えて下さい!」
ドキドキすることよりも勉強を教えてもらえる喜びの方が大きくて私は思わず准一さんの手を取った。
私の気迫に押されて驚いた顔をしていた准一さんはすぐにいつもの表情になると…
ニヤリと少し笑って「いいよ」と形の良い唇が動いた。