強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
***
次の日、放課後になるのはとても早く感じた。
今日一日、二人の様子を観察していた私だが、見ているこちらが落ち着かなかった。
ゆきのは西野君を意識しすぎての行動…
あからさまに避けてるのがわかる。
西野君は西野君で、ゆきのに話しかけられずに終わってしまった。
私と凪君は時たま廊下に出て二人について話し合ったり余計なお世話レベルで作戦会議。
「…大丈夫かな…喧嘩しちゃったみたいにも見える」
「放課後なるまで待ってみよ?」
ポンポンと凪君に頭を撫でられて私は頷くしかなかった。
放課後、西野君の雰囲気が少し変わった。
ゆきののところに行った…!
西野君は素早く席を立つとそのままゆきのの席へと向かったのだ。
その様子を影からコッソリうかがう私と凪君。
他人事なのにドキドキと心臓が高鳴る。
そして……
ゆきのはチラリとこちらを見てから、立ち上がると西野君に腕を引かれて廊下へと出て行ったのだった。