強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
『やったー!!』
私と凪君は手を取り合って喜びの声を上げる。
「後は二人次第だな」
「とりあえず良かったね!」
見てるこっちが気が気でなかった。
私はホッと胸を撫で下ろした。
「さーて、俺達も帰るか。その間に連絡も来るだろ」
「うん!」
はい、と渡された鞄を肩に掛けて私も凪君の後に続いた。
「…へぇーじゃぁマキは今そのお義兄さんと一緒に暮らしてんだ?」
「うん、とっても良い人なの」
時々変なスイッチが入ってよからぬことも起きるがそれでも准一さんが素敵な人には変わりない。
「いいなぁ…マキみたいな可愛い子と二人っきりとか…」
「……え?」
凪君がポツリと呟き、私は思わずそちらを見つめる。
すると凪君はハッとしたような顔つきになって口元を手で覆った。
「今のは深い意味はなくて…ほら、俺兄貴しかいないって話したしょ?だからマキみたいな可愛い妹がいたら楽しいだろうなって」
「そっかぁー…お兄さんなんだもんね」
はははっと笑ってまた頭を撫でられた。
撫でられるのは嫌じゃないけど、なんだか同学年に見られてないような気がする。