強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
私の瞳からボロボロ溢れる嬉し涙は止め処なくあふれて頬を濡らす。


「や、やだ。私なんで泣いてるの」

「それほど嬉しいってことでしょ」


凪君の言葉に思いっきり首を縦に振る。

幸せそうなゆきのの顔が浮かび、私も心が暖かくなって自然と涙が溢れてきたのだ。

私が泣き止むまで凪君は側にいてくれて別れ道に差し掛かったところで再び足を止める。



「今日はありがとな。マキと沢山話せて楽しかった」

「うん、こちらこそどうもありがとう。急に泣き始めてごめん。私、こんな風に男の子と話したことなかったら楽しかったよ」

「マキって意外と泣き虫なんだな」

「ゆきに言わないでよ?」


秘密だからね、と目を赤くさせて言う私にあはは、と笑い声を漏らす凪君。

じゃあ、と言って手を振りながら別れた私達。

なんだかいつもより充実した放課後だったなぁ。



***


ルンルンの足取りで帰宅してマンションのエントランスを過ぎエレベーターを待っていた時だった。

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