強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

え?え?何?

体が浮いている気がする。

半目で硬く閉ざしていた瞼をゆっくりと開くと、何故か目線が異常に高い。

光が差し込んでいる廊下が一望出来る。


そして、その視線を下に下げていくと……


「っ…?!!」

「やっと俺のこと見たか。君新入生だろう?どうやってここまで迷い込んだのか…って聞いてる?」


私は目の前の人物にパクパクと口を動かした。


え…ええ?!

なんで。どうしてここにあの人がいるの?

覗き込まれた顔がとても近い。

体が熱くなってきて、更に強張った。


目の前にいる人物は………

あの理事長だった。



「りっ理事長…さん」

「そう、俺ここの理事長。じゃなくて、どうして君みたいな新入生がこんなとこにいるのかな。早速イジメられた?」


フッと笑った理事長の顔にドキンッと心臓が大きく跳ねる。


ち…近すぎて、いろんな意味でヤバイ!


「あの…違くて。その。えっと、校内探検してたら…迷い込んで」


だんだんと語尾が小さくなっていく。

よく考えたら持ち上げられてるようだった。



「一人で校内探検か…」


その問いにこくんこくんと首を縦に大きく振る。

静かに私が頷いたのを見ると「ぶっ」と大きく噴出した。
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