強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

書庫には人影もなく、どうやら本当に私達だけしかいないようだった。


「人が全然いない…」

「本当だなー。こんなに人が居ない日もあるんだな」


ふーん、といいながら再び歩き続ける。

そろそろ腕が限界なんだが、それを言えずにいる私も残念な感じ。

すると、前を歩いていた准一さんの足がピタリと止まった。

本棚の入り組んだ窓際の小さなスペース。

准一さんは窓を開けると、涼しい風が入ってきた。

私は小さいローテーブルに本を置いてはあぁ~重かった…とうな垂れた。


「何、重かったの?言えばいいのに」

「別に大丈夫です」

「なんで敬語なの?」

「ここ学校ですよ。誰が聞いてるかわからないですってば」


それなりに気をつけて周りを見ているつもり。

でもそれ以前に理事長と一生徒が一緒にいる時点でおかしいんだけど。


「せっかく二人っきりになれたのに?」

「え…?」


椅子に腰かけて片腕で頬杖をつきながら私を見上げてくる。

准一さんの、う…上目遣い!
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