強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「下ろしてっ…」
「ダーメ。大丈夫、マキさえ騒がなければ誰も来ないよ」
ニヤリと口元に弧を描き、私を見上げる。
これまた上目遣いで見つめられたら心臓がバックンバックンと跳ねるばかり。
恥ずかしさのあまりどうしていいかわからずあたふたする私の顔はこれでもか、というくらい真っ赤であろう。
「………っ」
「そうそう、そうやって大人しく座ってなさい」
ポンポンと頭を撫でられて私は顔を両手で覆った。
なんなの、この状態。
背中を預ける形で准一さんの膝に座っている私。
背中がいつも以上に熱く、変な汗を掻いてしまう。
「准一さんは…っどうしてこんなことするの?」
「───…さぁ、なんででしょう?」
フッと微笑んで私の頭をポンポンと数回撫でる。
…またはぐらかされた。
口を尖らせて少しだけ睨む。
「そんな顔するなよ。強いて言うなら…マキが可愛いからだな」
「はい?」
躊躇うことなくサラリと言ってしまわれた。
可愛いは反則。
誰だってそんな甘いマスクで「可愛い」なんて言われたらコロりと落ちてしまう。