強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
私は准一さんの膝に乗ったまま俯く。
准一さんはどうして私に毎回こんなことをするんだろうか。
悪く言えばさぞかし遊んできたんだろう。
女の子を良く知っている。
こんな風に簡単に私をドキドキさせてしまうのだから。
准一さんに……
恋人とか…いないのかな?
そんなさまざまな疑問が頭の中でぐるぐると回っていた。
「さーて、スリリングな時間を過ごしたことだし、そろそろ帰るか」
腕時計を確認して一回伸びた准一さん。
そして俯いたまま返事をしない私に気づいて顔を覗き込んできた。
「…マキ?」
「ん…?」
無気力な返事をしたのがマズかったのだろうか。
私の顎に手を掛けるとそっと持ち上げられる。
そして目が合うなり、ハッとしたような顔つきになって私の両頬を押さえた。
「悪かった!嫌だったよな…」
「…え?」
私…今どんな顔してる?
気づけば視界は濁っていて准一さんの顔がよく見えない。
もしかして…泣いてるの?
「本当に悪かった。もうしないから泣かないで…」
頬を押さえてた手が離れて目元に当てられた指先。
自然と涙が溢れていたようで准一さんが焦ったようにそれを拭う。