強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「…聞いてなかっただろ。もう一回言うからちゃんと頭に詰め込んで」
「はい…すみません」
コツンと頭を小突かれて私は反省する。
そうだよ、勉強中なんだからこっちに集中しなきゃ!
せっかく准一さんが私のために教えてくれてるんだから。
正座をし直して私は准一さんの説明を一生懸命に聞いて頭に入れていく。
「で…ここがこうなるから、……ほらね?」
「本当だ…答えが出た」
わかりやすい説明とテキストに書かれた答え。
同じようにやってみて、と返されたシャープペンを握り直して問題に取り掛かった。
「ここってこうなるの…?」
「そう。それで……」
時々公式などがわからなくなったりして私は後ろを振り返る。
説明をしっかりと聞いて理解したところで答えを見出した。
「合ってる……?」
やり直した1問だけを見せて私は首を傾げた。
ん?とテキストを覗き込んでくる。
「お、出来るじゃん」
やった!!
私は嬉しくなって准一さんの方を振り返ったら………
准一さんの顔が肩口にあって目を見開いた。