強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

「マキは俺が嫌い?」

「な、なんで…」

「嫌いだから、…俺を拒むんだろ?」


私の下唇となぞる指。

上唇が微かに震えた。


いまのこの状態だって曖昧そのもので、困惑しているのも事実。

でも私は准一さんが好きだから…触れたい、触れられたいと思ってしまう。

だけど自分からその答えを言うとなると…


黙ったまま、どうすればいいか考えていると、准一さんの手が私の顎に掛った。

そのまま上を向かせられて目と目が合った。


「ねぇマキ、俺のこと拒まないでよ」

「……っ」


なんて目をして私を見つめるんだ…


起き上がって私の足の間で膝を立てると覆いかぶさってきた准一さん。

すっと取られた手。

手の甲にちゅっちゅっ…と数回唇を当てると薄く開いた瞳が私を捕えた。

そして准一さんの顔が近づいたかと思うと私は目を瞑った。

ぎゅぅうっと体を強張らせて身構えたが、…何も起きない。


そっと薄く目を見開くと、私の鼻と准一さんの鼻がぶつかっている距離で…

准一さんの目は笑っていた。
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