強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

え………これはまさか、いやいやいや。


「持ってくれば…いいんよね?」

「あーあ、俺もマキの成績アップのために頑張ったつもりなんだけどー」


掴まれた腕に篭る力が少しだけ強くなった。

そして真っ直ぐと私の瞳を見つめて訴えかける。


「……着て見せろ、と」

「イエス。俺にもご褒美くれるよねー?」


話が通じる子で良かったよ、と頭を撫でられた。

まだうんともすんとも返事をしていないんだけどなぁ…

どうやら准一さんの中では決定事項となってしまったらしい。


「着替えてきて?来なかったらマキの部屋まで押しかけるから」


それはもう眩しい笑顔でそう言い放ちましたとさ。

私は口元を引き攣らせ、背中を押されながら半ば強引に追い出された。


え…本当に着て見せなきゃいけないの?

ぶわっと体中の熱が顔に集中して私は壁にもたれ掛かった。


玄関に置きっぱなしにした自分をこれほど恨んだことがあっただろうか。

袋に収まった、真新しい…水着。

部屋に戻り手に取りまじまじと見つめ持ち上げて石のように固まった。
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