強引な彼の甘い溺愛に囚われて!



──────…


「マ、マキ!何処行ってたのよ!」

「へへ…いつもの迷子で」


教室に戻るとゆきのが心配してくれてたのか、私を見つけるなり慌てた様子でこちらに駆け寄ってきた。

教室の壁掛け時計を見るとSHRが始まるギリギリ5分前。

担任はまだ来ていないようだった。


「へぇーいつも迷子になってるのか。これは重症だな、君」

「悪かったですね!ありがとうございました!」


ひょこっと教室に顔を出して何処か納得したような相槌を打つ理事長。

最悪だ。聞かれてしまった。



「えええ?!な、なんで理事長がこんなところに…」


ゆきのの驚いたような大きな声に教室がざわっとざわめき教室中の視線がドアに集まった。


「カッコイイ!」

「年いくつなんだろう!若いよね」

「大人だわ……」


耳を澄ませばコソコソと聞こえてくる理事長に対する女の子達の会話。

たしかに…この人って、一体いくつなんだろう。

クラスメートの女の子たちの目がハートになってるのは一目瞭然。
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