強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

「準備できた?時間大丈夫?」

「う、うん。もうちょっとしたら出るかな。准一さんはもう学校行くの?」

「俺ももう少ししたら出るよ。車乗ってく?」


ちら、と私の壁掛け時計に視線をやると、またすぐに私に向き直る。


「いいの?じゃあ駅までお願いします」

「ん、わかった」


それだけ言ってまたドアを閉める。

夏休み入ってからも、学園の理事長職についている准一さんは忙しいようだ。


そうだよねぇ…生徒は休みでも先生たちって学校行くし。

一度玄関にカバンを置いてリビングへと行くと、コーヒーを一気飲みする准一さんがいた。

そして私の姿を視界に捉えると、行くかと自分の鞄を手に取る。

私はキッチンへと移動し、火を切ったか確認して准一さんの背中を追いかけた。

鍵を掛けて、お互い何も話さないまま車のある駐車場へと向かう。

その間准一さんは少し重いであろう私のボストンバッグを持ってくれた。


「向こうまで送らなくていいの?」

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