強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
准一さんは鍵を差込みエンジンを掛けて、シートベルトをしながら私をちらっと見る。

「うん、4人とも駅で待ち合わせしてるの。だから大丈夫…です」

「そう」


そう言って車が発進した。

なんだろう…いつもと同じはずなんだけど、何かが違うような。

でも私の"いつも"ってなんだろう。


助手席で見るいつもと変わらない景色。

ちらり、と准一さんの横顔を横目で追った。

真っ直ぐと前だけを見て、運転をしているその姿にきゅんっと心が高鳴る。

毎日見てるはずなんだけど、全く飽きない。

じーっと見つめていたら、視線に気づいたようで私を見る。


「……何?」

「い、いや!何にも…」


わわっと慌てて前を向き直ると、駅までもうすぐそこだった。

あっという間だったなぁ…なんてちょっと寂しい気持ちになる。

信号が青に変わって駅前の広い通りに車が横付けされた。


「送ってくれてありがとう…」

「マキ」

「な…に、んっ」


ぐっと右腕を引っ張られて体勢を崩すと准一さんの顔が目の前にあった。

唇に熱を感じて目を見開く。
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