強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
ちゅっ…と触れるだけの軽いキスをされて、私は硬直したまま瞬きをする。
「たった一日いないだけなのに、本当は寂しいよ。楽しんでおいで」
「………っ」
眉を下げて微笑む准一さん。
ぽんぽんと頭を撫でられて、少しだけ涙腺が緩んだ。
なにこれ、別れのキスみたいじゃない?!
私だって…一日離れるってだけで、胸が締め付けられるような気持ちになった。
「これから楽しいことが待ってるのになんで泣きそうになってるの」
ははっと笑って私の髪の毛を指で梳く。
「だって…准一さんがそんなこと言うから。私…っ」
「…帰ってくるの楽しみにしてるよ。ほら、時間だよ」
「うんっ」
少しだけ目元を拭って2人で車を降りた。
トランクから出したボストンバッグを受け取り、気をつけて…とおでこに一回キスを落とされた。
おでこも唇も准一さんに触れられたところすべてが熱くて顔が火照った。
クラクションを一回鳴らして車は駅から離れる。
私はそれを見送って、人の波に流されるように駅に吸い込まれた。
待ち合わせ場所へと行くと、すでに3人の姿があり私を見つけたゆきのは大きく手を振って跳ねる。
慌てて駆けつけると、ゆきのに抱きしめられた。
「ごめん、遅くなりました」
「ううん、みんな丁度そろったところ!」