強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
おはよ、と西野君と凪君と挨拶を交わして裏の出口へと向かう。
海への移動は西野君のお兄さんが運転する車。
なんでも西野君のお兄さんも海で友達と約束しているらしく、泊まる予定のホテルにまで送ってくれるらしい。
お邪魔します、と行ってワゴン車に4人とも乗り込んだところで車は発進。
前の座席に西野君と凪くんが並んで、後ろに私とゆきの。
「そういえば、マキ駅までどうやってきたの?」
「お義兄さんが送ってくれたの。仕事行くついでに」
「そうなんだ!あー見たかったなぁ~」
今年流行りのペイズリー柄のマキシワンピを着たゆきのがうな垂れた。
さすがに…見たことありますよ、なんて口が裂けても言えなかった。
「機会があればね」と愛想笑いで返すしかない。
「えーマキちゃんってお兄さんいたの?」
「初耳。お姉さんか妹がいる感じがしてたけど…」
私とゆきのの話を聞いていた前の2人が後ろを振り向く。
「高校生になってからお母さんが再婚して、7つ年上のお義兄さんが出来たの」
「「へぇ~」」
2人は納得したように頷いて次なる質問を投げかける。
「なら23歳かぁー…もう社会人じゃん。サラリーマン?」
「ううん、学校の先生…か、な」
理事長って学校の先生、だよね。