強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
ゆっくりと瞼を開くと…そこには体を濡らした凪君がいた。
「や、嘘…凪君ごめんなさい」
「大丈夫?怪我とかない?」
ははっと笑いながら私を起こす。
凪君は私をかばって自分を盾にして海に背を向けたのだ。
「ごめんなさい…私の不注意で凪君かばってくれて…」
「いえいえ。熱かったし、海に入って体冷えて逆にラッキー的な?」
穿いていたカーゴパンツはずぶ濡れでTシャツまでもが濡れて肌に密着しているようだ。
私は一人どうしていいかオロオロとして持っていたハンカチで凪君の顔についた水飛沫を拭いた。
笑って誤魔化す凪君の優しさに胸が痛かった。
いくら夏だからと言って海が温いはずがない。
そっと私も手を浸してみると、少し冷たかった。
ただただ謝ることしか出来ない私。
今にも泣きそうな顔をしていたに違いない。
凪君はフッと微笑むと、私の背中を…───抱き寄せた。
え───……?
「……マキ」
「な、凪君?」