強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
今自分自身に起こっていることに頭がついていかない。
ただ抱きしめられて私の体は硬直していた。
すると凪君は私の顔にそっと触れると…言い放ったのだ。
「マキが好き」
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
好き…?好きって──…
「ええ…えっと…凪、く、ん?」
「ずっと言おうと思ってたんだけど、なかなか言う機会がなくて。今しかないって思った」
俯く私、凪君がどんな表情で話しているかなんて検討もつかない。
でも顔を上げる勇気が…私にはなかった。
「で、でも私…」
「今付き合って?なんて言わない」
「え?」
その言葉に顔を上げると、真っ直ぐと私を見つめる凪君の姿があった。
その瞳に射抜かれて動くことが出来ない。
「ただ自分の気持ち伝えたかっただけだから。マキが俺のことそういう対象で見てないってことは薄々わかってたし」
「あ…ごめんなさ、…い」
「んーん。知ってて欲しかった。俺がマキを好きだってこと。だからこれからちょっと意識を持ってくれればいいかなぁなんて」