強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「いえいえ。こちらこそ、いつもお世話になってます!」
お母さんはゆきのにニッコリと微笑み私の腕を引っ張った。
「乗って乗って!間に合わないから。ゆきのちゃんも駅まで送ってあげるわ」
「え…う、うん」
「お邪魔しまーす」
私とゆきのは二人で後部座席に乗り込み何処に連れて行かれるのか分からないまま車は発車した。
ゆきのを駅まで送り届けた後、私は助手席へと乗り換える。
「………で、何処行くの?」
「んー?ホテル」
「へっ?!」
ホテルって、久しぶりに二人でお食事?
制服だからまだ良かったけど…
街中が近づくにつれて、日が落ちてきてへ車は夜へと変わっていく色と同化した。
「着いたわよ。マキちゃんは、これとこれと…これ持って」
「うん?」
トランクから次々に荷物を取り出して私持たせていく母親。
なんですか、この荷物の量は。
とりあえず持って、と言われたので落とさないように慎重に持ったまま円柱状のお洒落なホテルへと足を踏み入れた。