強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「どんな子?」
「どんなって…普通に可愛い子です。性格もいいし、俺好みな子ですよ」
ありきたりな答えを返して視線をテーブルへと移す。
すると、料理が運ばれてきて一旦話は中断された。
「その様子だと、彼女ってわけじゃなさそうだね。准一相手に落ちない子なのか?」
「先輩は俺をなんだと思ってるんですか」
まるでどんな子でも落としてすぐ付き合うみたいなチャラ男の扱いだ。
俺は至ってそんな男ではない…と思う。
「意外と硬派だったんだなぁ。高校の時はそういう風に見えなかった」
「それを言うなら先輩のが酷かったと思いますよ」
伊緒先輩は3年の時生徒会長という役職についていたためそれはもう大変モテた。
その当時の噂は廊下を通れば一日5回以上告白がある…と耳にしたような。
いや、でも伊緒先輩みたいな美形ならあり得る。
「そんな苦労してるんだ?俺に話せない?」
「…苦労……まぁ、ちょっと恋愛対象として見てはいけない相手を好きになってしまったというか」
思わず正直にそう言ってしまってからハッとする。
これではまるで―……
「相手は生徒なのか」
自分からバラしているようなもんじゃないか。