強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
おかえり
「ありがとうございました」
「本当にここで良かったの?」
「大丈夫です」
「マキばいばーい、また連絡するね!」
長くて短かった一泊旅行も終わり、今は別れの時。
迎えに来てくれた西野君のお兄さんにお礼を行って、車のドアを閉めた。
そして窓から身を乗り出して手を振るゆきのに手を振り返す。
前に座っていた西野君と凪君にも手を振り返すと、車は1回クラクションを鳴らして去って行った。
「ふぅー……」
降ろしてもらったところはマンションからちょっと行ったところにある一軒家が立ち並ぶ角。
さすがにマンション下まで送ってもらう気にはなれなかった。
あんな豪華なマンションに住んでるってなればゆきの遊びに行きたいコールが止むことないであろう。
荷物を肩に掛け直して私はマンションへと足を進めた。
たった一日離れていただけなのに、なんだか変な感じ。
エントランスを抜けてエレベーターに乗り込みボタンを押した。
准一さん、もう仕事に行っちゃってるかな。
携帯で時間を確認するともう12時を回っていた。