強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
恐る恐るドアから顔を覗かせて中を確認すれば、どうやら准一さんは仕事へ行ってしまった後のようだ。
暗い玄関のアカリをつけてただいま、と誰もいない空間に呟いた。
一度リビングへ行って准一さんが本当にいないことを確認する。
シーン…と静かな空間にちょっと寂しくなった。
きっとさきほどまでみんなで楽しくワイワイ過ごしていたからであろう。
自分の部屋のドアを開けて荷物を下ろして片付けはすぐに終わり、やることがなくなってしまった。
私は遊び疲れた体を休めるべく少しだけベッドに横たわる。
そして昨日から今日までの出来事を振り返った。
凪君に告白され、その優しさに甘えてあまり気にしないようには過ごしていた。
でもやっぱり心のどこかで意識してしまう。
凪君の顔を前より直視出来なくなってしまったのは事実であった。
優しくて、私を好きだと言ってくれた凪君。
ずっとこのままではいけないということはわかってる。
私は…准一さんが好き。
諦めなきゃいけない対象を好きになってしまって…だけど今更諦めるということは無理だ。
どうしたらいいんだろ…
「あ゛ー」
奇声を発しながらゴロリと寝返った。
すると、家に帰ってきたという安心感からか、視界が虚ろになってきて天井を見つめながら私はゆっくりと瞼を閉じた。