強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
『マキ、好きだよ…』
「准一さん……」
幸せな夢を見た。
真っ白な世界で准一さんが私に微笑み掛けながら両手を広げている。
私はそれが嬉しくて飛び込む。
……ところで私の意識は現実へと引き戻されたのだ。
見慣れた天井を背にして私の顔を覗き込む人。
「マキ…起きてる?」
「ん?」
未だ自分自身意識がはっきりしておらず、視界も虚ろなまま。
何度か瞬きを繰り返して体を起こすと私のベッドに頬杖をついた…准一さんがいた。
「え?!准一さん!」
「おはよ。疲れた?ぐっすり眠ってたみたい」
覚醒してガバッと起き上がれば、准一さんはクスッと笑って私の頭を撫でる。
「え…あ、お仕事行ったんじゃ」
「もう夕方。どんくらい寝てたの」
「嘘…」
部屋の壁に掛かっている時計に視線を向ければ時計の針は既に17時を回っていた。
いかんいかん、5時間近く寝ていたようだ…
そのことを話すと准一さんは笑って寝過ぎ、と私の頬を指で突っついた。