強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

キスを落とされ硬直してしまう体。

ちゅっ…と唇が離れる音に目を瞑るとサラリ、と髪の毛を指で梳かれた。


「嫌だった…?」

「……っ。い、やじゃ…ない」


そう声を絞り出すのが精一杯で…

私の返答に准一さんがどんな顔をしてたのかはわからないけど、再びキスが降ってきた。

最初は優しく…啄むように何度も互いの唇が合わさる。

そうしてだんだんと重なる時間も長くなってきて。

鼻から息が漏れ出す。


「んっ…」

「マキ、口開いて」


そっと顎を持ち上げられて、耳元で囁かれる。

言われた通り、震える唇を少しだけ開いた。

途端にぐいっと頭を押さえられていた手に力が入り、より一層キスが深くなる。

変な声が出て漏れてしまう恥ずかしくなるが、今はそれどころではない。

准一さんの生温い舌が私の唇を割って侵入してきた。

そしてちょんっと私の舌を舌先で突っつくと器用に絡め取る。


酸素不足で思わず涙目になってしまう。


「鼻で息吸って…」


離された准一さんの唇が濡れていた。
< 204 / 321 >

この作品をシェア

pagetop