強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「ごめん」
「ん……」
もう一度ちゅっと私の額にキスを落とすと、目尻に親指を這わせて涙を拭ってくれた。
そして私の乱れた服をきっちりと直してくれて背中に腕が回る。
「もうしないから。って…いつもそうか…」
あー辛抱ないなーなんて耳元でそんなことを嘆いている准一さんに笑ってしまった。
どこか余裕の無い顔をするものだからまた違う一面を見れたと思って少し満足。
現金な私…
「なぁマキ」
「ん…?」
「来週の土曜日。行きたいとこ考えといて」
「え?」
行きたいとこ?それって…
私は体を起こして准一さんと向き直った。
「ほら買い物行きたいって言ってただろ?だからマキの行きたい場所考えといて?」
「いいの…?」
「よくなきゃ聞かないって」
そう言って笑う准一さんにつられて私も笑みを零した。
ってことはそれはようするに。
「デートだ……」
「そ、デート」
「っ!?」
どうやら口に出してしまっていたらしく私の呟きに准一さんは意地悪そうに笑みを浮かべている。
は、恥ずかしい…
慌ててにやける口元を手で覆った。
「いいじゃん。デートなんだから。まだご褒美あげてなかったし」
「別にご褒美とかそういうのは…いい」
准一さんと一日中一緒に外を歩けるかもしれないってことが私にとっては嬉しくて仕方がないのだ。
普段だったら絶対に無理なことなんだから。
早くその日が来ないかなぁなんて、抱きしめられた腕の中で妄想をしていたのだった。