強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

素直にそう述べると、准一さんは拍子抜けしたような顔をした。

そして少し恥ずかしそうに顎に片手を置くと口元に弧を描いた。


「休みなんないとこういう格好で息抜きできないからね。俺だってまだ一応23歳だし」

「そっか…」


そういえば准一さん、まだ23歳。

若者ファッションが似合って当然だ。

いつもスーツばっかりだから、どうしてももっと年上に見えてしまうのは言わないでおこう。


「マキだって今日はいつもよりオシャレじゃない?」

「いつも通りだよ…?」


…なんて平然を装って返したつもりだが、今日はいつもより格段に気合が入っていた。

あんまり穿くことのないベージュのチュールスカートに花柄のトップス。

お気に入りのリボンネックレスとピンキーリングも嵌めて見た。

化粧だって普段そこまでしないのに、今日という日のために雑誌やネットで色々と調べ尽くし早起きして頑張ったのだ。


「可愛い」

「……っ!」


准一さんのために頑張ったオシャレ。

だから可愛いと言われるのはとても嬉しいけど、やはり恥ずかしい。
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