強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
ボソボソと「ありがとう…」と呟くとハンドルを握ってない方の腕が伸びてきて私の頭を撫でるのが心地よかった。
街中から少し外れたところにある大きなショッピングモールへと辿り着いた。
ここを選んだ理由は、あまり知り合いが来なさそうなこと、と私と准一さんがよく利用するお店がたまたま多く入っていたからだ。
エンジンが切られ車から降りると太陽の熱を一層感じた。
晴れてくれるのはとても嬉しいが真夏の暑さはちょっといただけない。
手で視界に影を作りながらドアを閉めた。
周りを見渡すと、まだ開店したばかりだというのに駐車場はほぼ満車に近い状態。
「車止めれて良かったね」
「朝早くに出といて良かった」
二人で胸を撫で下ろし、モールの入り口へと向かう。
中に入ると早速体に冷気が伝わる。
クーラーの効いた店内は外の暑さとは大違い、少し寒いくらいだ。
「マキ寒くない?」
「大丈夫だよ」
さりげなく心配してくれる優しさに私はまた胸きゅんしてしまう。
多くの買い物客が行きかう店内は想像以上に広く私は息を飲んだ。