強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
修哉さんはお母さんがお付き合いしている人、だと思う。
小さい頃に離婚して私は母の女手一つで育てられた。
修哉さんはいつも家に来てお母さんと楽しそうにおしゃべりして帰っていく。
一緒に出かけたりもしているのも実は知っている。
だから、確信していた。
付き合ってるんだなぁ…と。
でも私は面と向かって教えてもらってないからお母さんが言うまで何も知らんぷり。
「マキちゃん、こんばんは。個室気に入ってくれたみたいで嬉しいよ」
「ここ修哉さんが取ってくれたんですか?」
「あら、マキちゃん。私がこんな個室取れると思わないで」
はははっ!と高らかに笑う修哉さんはとても40代後半には見えないくらい若い。
うちのお母さんも若いけど、いまどきのアラフィフってこんなに若いもんだろうか。
二人がテーブルを挟んで向かい合って座るのを目の当たりにすると、本当の夫婦のようにも見える。
お似合いだと思っていた。
「あれ?准一君は?」
「まだ仕事が残ってるんじゃないか。あいつに任せてからは俺もまた忙しくてな…」
お母さんと修哉さんは私そっちの気で二人にしか分からない会話をし始めた。