強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
Fifth*Assertive
親友に伝える真実
ピンポーンという音で私はお湯を沸かしていた火を止め、玄関に走った。
「はーい」
先ほど、下のエントランスから自動ドアを開ける際に画面越しで顔を覗かせた人物を迎えるべくして私は小走りで向かう。
「来たの?」
「う、うん。准一さん…大丈夫?」
「俺は全然問題ない。焦って見えるのはマキのようだけど…?」
新聞とコーヒーカップを持ってリビングから出てきた准一さん。
私のソワソワとした態度に気づいたのだろう。
落ち着かないのは仕方ない。
だって今日はこの家になってから初めてのお客様だし…
「ほら、待たせちゃいけないだろ。後からそっちに顔出すよ」
「うん。わかった」
私の肩をポンポンと叩くと自室へと篭ってしまった。
准一さんなりの気遣いだ。
ふぅ…と短く息を吐いてから私は「よし!」と、意気込んで玄関の扉に手を掛けた。
玄関から顔を覗かせると、目の前に立っていた人物はとてもにこやかに笑っていた。
「ハローマキ!」
「いらっしゃい、ゆきの」
ひらひらと手を振りながら玄関に足を踏み入れる。
今日も女子高生とは思えないような大人な格好をしていた。