強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「ビックリしたよ。まさかこんな高級マンションが並ぶところに住んでいたなんて」
「よく迷わなかったね。そこまで迎えに行こうか迷ってたの」
「マキほど方向音痴じゃないから大丈夫!」
「ひっどーい」
ふふっと鼻で笑って見せてお邪魔します、と靴を脱いだ。
そしてはいこれ、と私の手に乗せたのは手持ちのついた真っ白な箱。
「わぁ、ありがとう!もしかしてこれ、前に言ってた…」
「そ、マキの家に行くから頑張って並んじゃった」
暑い中よく並んだものだ…、凄い。
前々からゆきのが絶賛していたケーキ屋さんの箱だった。
わざわざ家に来るために買って来てくれたので嬉しかった。
スリッパをパタパタと鳴らしながらリビングへと向かう。
その間ゆきのはキョロキョロと家中を興味津々で見ていた。
「さすが高級マンション…広いし綺麗」
「私も最初ビックリした。広いからたまに寂しくなるの」
「でもいいところだね」
ダイニングテーブルの椅子へと座るように促して私はキッチンへと戻った。