強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

その間なんとなく聞き耳を立てながらも夜景を眺めていた。


“じゅんいちくん”…って誰だろう?

もう一人来るってことなのかな。


「ねぇ。お母さん…私と修哉さんの3人でお食事するんじゃないの?」

「えっと……ね。まぁそうなんだけどー…」


お母さんの視線が泳ぎ修哉さんへ。


「マキちゃんにまだ話してなかったのか」


…へ?


まだ話してなかったって…何か隠してたってこと?

私はじろりと疑いの眼差しを母へと向ける。

今すぐ話して、と目で訴えた。


「えっとねぇ。マキちゃん…そのー…」

「マキちゃん、もうちょっと待ってね。後で准一来たら全部話すから?ね?」

「………はい」


お母さんがどう話していいのか言葉を詰まらせていると、修哉さんの助け舟が出され私は聞き損ねる。

私そんな待ってられるほど気が長くないんですが。

もやもやとした気持ちが続く。


「…んー来ないわね。修哉さん先食べてましょうか?」

「そうだね。マキちゃんも好きなもの頼みなさい」


はい、と渡されたメニューを見てうーんと唸りながら考えた。

しばらくして3人とも決め終わり料理を注文したところで、私は早く色々と二人の話を聞きたくてうずうずしていた。
< 23 / 321 >

この作品をシェア

pagetop