強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
その間なんとなく聞き耳を立てながらも夜景を眺めていた。
“じゅんいちくん”…って誰だろう?
もう一人来るってことなのかな。
「ねぇ。お母さん…私と修哉さんの3人でお食事するんじゃないの?」
「えっと……ね。まぁそうなんだけどー…」
お母さんの視線が泳ぎ修哉さんへ。
「マキちゃんにまだ話してなかったのか」
…へ?
まだ話してなかったって…何か隠してたってこと?
私はじろりと疑いの眼差しを母へと向ける。
今すぐ話して、と目で訴えた。
「えっとねぇ。マキちゃん…そのー…」
「マキちゃん、もうちょっと待ってね。後で准一来たら全部話すから?ね?」
「………はい」
お母さんがどう話していいのか言葉を詰まらせていると、修哉さんの助け舟が出され私は聞き損ねる。
私そんな待ってられるほど気が長くないんですが。
もやもやとした気持ちが続く。
「…んー来ないわね。修哉さん先食べてましょうか?」
「そうだね。マキちゃんも好きなもの頼みなさい」
はい、と渡されたメニューを見てうーんと唸りながら考えた。
しばらくして3人とも決め終わり料理を注文したところで、私は早く色々と二人の話を聞きたくてうずうずしていた。