強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「そういえばお義兄さんは?」
「うん、今日はお仕事お休みで部屋にいるよ」
「お休みの日に押し掛けて来ちゃってごめんねぇ」
寧ろゆきのに会いたがっていたのは准一さんも一緒で。
あの人のちょっとした意地悪な性格からいくと、ゆきのの反応が見たくて仕方ないだけだろうけど。
「後から顔出すって言ってた」
「超楽しみー!!イケメンの王様なんでしょ?!」
彼氏が出来てもイケメンを見るのはやっぱり大好きなよう。
私は軽く苦笑して紅茶を口に含んだ。
それからは夏休みに何があったとかそういう話へと変わってゆきのは相変わらず西野君とラブラブなようだ。
「こないだ初めて康史の家に行ったんだけど、お母さんがすっごい優しくて」
「へぇ~似てるの?」
「もうソックリ。あの微笑みはお母さん譲りなんだわ…」
身振り手振りでゆきのは興奮しながら話す。
「それでね…」
「ん?」
いきなり声が静かになり、私も体を乗り出して耳を傾ける。
そしてソッととんでもないことを言い放った。
「大人の階段、上っちゃった♪」