強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「こんにちは、いらっしゃい」



───カシャンッ…


准一さんの声と共に食器が何かに当たる音がしたのだ。

何事かと、そっと顔を覗かせると…目を見開いて固まるゆきのがいた。

どうやら持っていたフォークを落として、それがケーキの皿にぶつかった音だったらしい。


「え…え?……な、なんで…」

「准一さん、こっちから来てくれた方が良かった」

「まぁまぁ。驚かせたくて」


クスクスと笑いながらリビングへと入ってきた准一さん。

ゆきのは未だにその光景に固まって動けずにいた。


「ゆきの、紹介するね。私のお義兄さんの東郷 准一さん」

「どうも。義兄としての紹介なら初めまして、だね」


いつもと変わりない爽やかな笑顔を貼り付けているが、内心楽しくてしょうがないって雰囲気を前面に醸し出している。


「ぇええええ!??」


ゆきのの絶叫が家の中に響き渡ったのだった。
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