強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
少し秋らしくなってきた9月。
学園の一大イベントである学園祭の行われる月であった。
売り上げによっては優勝賞品が用意されているとか。
それぞれがその優勝賞品と称された"クラス全員何か当たる券"を目指して頑張るのだ。
そんな中、私のクラス1-Aは外の玄関付近で屋台を3つ出すことになっている。
たこ焼き、お好み焼き、やきそば…よくあるこの3つ。
靴を履き替えてダンボールを抱えてまた走り出す。
ちょっと行ったところでは男子のほとんどが屋台の組み立てをしているところだった。
「康史~!!」
後ろで隣でゆきのが西野君に向かってブンブンと大きく手を振る。
口にアイスの棒をくわえたままだから危なっかしい。
そんな私の心配もよそにゆきのは小走りで西野君の元へと近づいていくのだった。
「美味しそうなもん食べてるんじゃん」
「担任からの差し入れでみんなアイスもらってるの」
「やっぱりアイスだよねー」
はい、と西野君にもアイスを渡して他のクラスメートにもアイスを配る。