強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
すると………


「ごめん、遅れた!もう来てたな………」


疲れて寝そうになっていた頭ががっくりと垂れ落ちていたところ、声のするほうへと顔を上げると…

そこに居た人物に目を凝らした。



「え………?」

「准一君いらっしゃい!待ってたのよー。座って座って」


漆黒のスーツを着こなして少しネクタイを緩めた人の姿。

私はこの人に見覚えがあった。

だってこの人。




「り……理事長?」


私の隣の席に腰を下ろしてこっちに気づくと、バチッと視線が絡んだ。


「……あれ?君…たしか、ああ。この子が」

「え?え?り、理事長ですよね?!」


それはまさかの王冠学園の理事長。

今朝…助けてもらった張本人だった。


「修哉さん、会社に戻ったの?」

「涼子さんにもまだ話してなかったね。今年から准一に任せることにしたんだよ」


お母さんも驚いたような声を上げ、私には分からない説明をする修哉さん。


隣に理事長がいる。

なぜか今朝会ったばっかりの理事長がいるんだ。

近すぎる距離に右肩が熱くなってドキドキと心臓が煩い。
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