強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「あー面白かった!」
「笑い事じゃないよ!私はもうヒヤヒヤして…」
教室へ戻りながらケラケラと笑い続けるゆきのに肩を私は軽く叩く。
准一さんのスピーチが終わってから始終こんな感じ。
「いいじゃん、愛だよ。なんか禁断っぽくていいなぁ…」
「き、禁断…」
「だって理事長って教師みたいなもんでしょ?教師×生徒じゃん」
そういえばこないだそんな漫画読んだなー、なんていいながらゆきのは楽しそうに笑う。
逆に私はなんとも言えない気持ちになって苦笑いを零す。
「何が禁断だって?」
ひょっこりと私の背中から顔を出したのは凪君。
隣には西野君も居た。
ヤバイ、もしかして話の内容聞かれてたかな?
「いやいや、ゆきのが最近読んだ漫画の話」
「学園物だったっていう話よ」
「ふうん」
気づかれてないかな?危ない危ない。
こんな人が多いところで話すことではないな、とゆきのと顔を見合わせた。
教室へ戻ると教卓の上になにやら怪しいダンボールが乗っかっていた。
クラスメート達もなんだろう、とそれを見つめながら教室へと入ってくる。