強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
それぞれが作業に取り掛かろうとした時、リーダーの一人がパンパンッと手を鳴らす。
全員の視線がそちらへと集中した。
「注目ー!これから女子に着替えてもらうコスプレを配ります。更衣室は奥の方になったからよろしく」
「コスプレー!」
クラス中が歓声で溢れる。
なんだかんだみんなノリ気。
何着るのかなぁなんて隣でワクワクしているゆきの。
対する私はそのテンションとは正反対で、本当にするんだ…とどんよりした気分だった。
名前を呼ばれて黒いビニール袋で包まれたソレを手渡された。
中身が見えないためどんなものが入っているのかわからない。
「それでは、クラス諸君。優勝賞品"なんでも券"を目指して頑張ろうじゃないかー!」
『オー!!』
全員が手を高く突き上げて、クラスが団結した瞬間だった。
「な……何コレ」
「何ってそのままでしょ。似合ってる似合ってる。しかも私とセット、みたいな」
ふふっと笑いながらダテメガネを掛けるゆきの。
私はワナワナと震え更衣室のドアにへばり付いて離れることが出来なかった。