強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

「いやだっ!さすがに無理!出れないよぉー…」

「もう今更何言ってるの、いいから行くよー」


ぐいぐい私の体を引っ張り廊下へと引きずり出す。

更衣室で着替え終わったクラスメートの女子達も私達のやり取りにクスクス笑っていた。

笑い事じゃないのに…どうしてみんなそんなに恥ずかしくないのか。

確かにほとんどが目立ちたがりの集まりだったけど。

廊下を歩いている間も好奇な視線が突き刺さり、恥ずかしいったらありゃしない。

ヒソヒソと女子生徒が、にやにやと男子生徒が笑みを浮かべているのがわかる。

この格好で一日中看板を持って歩き回れというのか。

教室の前に立つとゆきのは豪快にドアを開け放つ。

中に居るクラスメート男子全員と、着替え終わった女子数名がこちらへ振り返った。


「真田 マキ、ナース!?宮森 ゆきの、女医さん!?」


っとどよめきたった。

人生で一番と言っていいほど恥ずかしい瞬間に私は見舞われたのだった。
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