強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「そんな顔してもダーメ、おいで」
虚しくも却下され、ぎゅっと私の鼻を摘んでから両手を広げる。
私はおずおずとその腕の中に納まり、背中に手を回した。
なんだかんだ甘い。
「さて、仕事仕事。もう1時間ほどでまた集会があるから準備しないといけないからなぁ。マキもあんまり隙のあることしちゃダメだからね」
「こんなことしてくるの准一さんしかいません」
「そうでもないよ?マキ可愛いし、ほっといたら誰かに捕られそうで俺はヒヤヒヤしてる」
「私は……っ准一さん、だけだよ」
素直に思っていることを言えば、抱きしめられている手に力が篭る。
「マキは俺のモノ。いいね?」
そう意地悪な笑みを浮かべて頬にキスを落とすのだった。
「じゃ、気をつけて」
こっそりと出された理事長室、名残惜しそうに軽く唇が重なる程度のフレンチキスをされてここが廊下だということに背筋が凍った。
……もうっこんなところで。
バイバイと手を振って私も階段を駆け降りた。
「嘘、だろ……」
それを見ていた人物が居たとも知らずに。