強引な彼の甘い溺愛に囚われて!


***


「ゆき、ありがとう」

「おかえりー楽しかったかぁ?」


ニヤニヤしながら聞いてくるゆきのに私は口を尖らせた。

こうなるとわかってて途中退室したに違いない。


「おかげ様で。もう理事長室であんなこと…っ」

「ほぉ、詳しく聞かせてもらおうか?」


禁断!禁断!なんて人事のように跳ねるゆきのに私は笑うしかなくて、でも楽しい時間を過ごせたからちょっとは感謝してる。

学校であんなに一緒に居れたのは初めてだったし。

残りの営業も准一さんのおかげで頑張れそうだった。



王冠祭、閉幕式。

優勝したのはもちろん3年生で。

それでも屋台を3店舗持っていたうちのクラスはそこそこいい成績だったとか。

3年生の代表に賞状と賞品を渡す准一さんの姿を視界に映しながら小さく溜め息をついた私。


その日はゆきのと仲良く帰宅。

准一さんが帰ってくるまで頑張って起きていようとしたが、深い眠りについてしまい、帰って来た准一さんをガッカリさせたのは知る由もなかった。
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