強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「マキが毎日幸せそうな顔してるから、昨日も一昨日も彼氏と一緒なんだなぁと思ったらなんか妬けた」
「……っ」
「俺はあんな顔させてあげられないから。せめて友達とかいいながら傍に居れるだけでいいんだって、自分に言い聞かせてたんだ」
凪君はどんな顔をしながらこんな話をしているのだろうか。
私は黙って聞いてることしか出来なかった。
「でもさ……俺、知っちゃったんだよね」
「え……?」
小さい声でポツリと呟いた。
"知っちゃった"…って何を?
夕日が落ち掛かっている家路。
周りに他の人の姿はなく、道端には私達2人だけ。
閑静な住宅街に2つの影。
こちらへ振り返り、凪君は、私の頭を鈍器で殴るような言葉を言い放った。
「マキ。理事長と付き合ってたんだね」
その言葉を理解するまで、物凄く長い時間が掛かった。
凪君、今なんて…
「……凪、く、ん?」