強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
でも…
それがうまく言葉として出てこない。
「マキちゃんが、僕が父親になるのが嫌だっていうのなら別に良いんだよ?僕達はちゃんと、マキちゃんと准一の意見を尊重したいんだ」
「そうよ、マキ。お母さんと修哉さんのことは二の次よ」
「ちっ違う!」
どうしてこう、うまく言えないんだろう。
ちゃんと祝福してあげたいのに。
言葉を必死に選んでいると…
隣からふわりと膝に乗って震えていた手が温かさに包まれた。
…おっきな手。
東郷さん…?
「嬉しいんだろ?それなら難しく言葉を選ぶ必要なんてないんだ」
「…え、はい………」
この人、私の言いたかったことが解るの?
私は深く深呼吸して二人を見据えた。
「お、おめでとう!私本当は…っその、嬉しくて。二人のこと大好きだから、ちゃんと幸せなって欲しい………」
「マキちゃん……」
「ありがとう」
親なのに、なんて泣きそうな顔してるんだろう。
私はニッコリといつも以上の笑顔を二人に見せた。