強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「俺は…マキが好きだったんだ。付き合ったと聞いた時、他校の奴なら仕方ないって思った。けど相手があんただと知って…」
「マキを脅して付き合った、とでも思った?」
どうやらそう考えていたらしく、彼は拳を握り締めたまま固まった。
やっぱりな、理事長が生徒に手を出したとでも思ったか。
まぁ、一理間違いではないな。
「お互い、好きだから付き合った。君みたいに脅してじゃなくて、ね」
"脅して"の部分を強調して言うと、彼は再び俺を睨みつける。
威勢がいいのは良いが、そんな睨み俺には通用しない。
「マキに気持ちを聞いてみるといい。バラしたければバラせばいい。それだけだ」
俺はそう言い放ち彼を追い出した。
これでどうでるかな…
粋がっているように見えるがああいうタイプは根はきっと優しい。
そして好きな女にはとことん甘い。
だから───……
俺の想定内で物事が上手くいけば、きっと丸く収まるだろう。
少しだけ疲れたので応接間で横になった。
ー准一side 終ー