強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

昨日の放課後は先に帰ってて欲しいとラインが来たので私は潔く教室を後にした。

准一さんと凪君が話し合っていたとはまったく知らず。


そして今日、3日目…最後の放課後となった。

いつも通り私を迎えにきて帰ろうと手を出す。

それに重ねて手を繋ぎながら学校を後にする。



「今日は…最後だからちょっと寄り道しようか」

「う、うん」


帰路とは違う通ったことのない道。

学校が終わったばかりの小学生達が私達の横を駆け、通り過ぎる。

少し歩いて来た事の無い河川敷が目の前に広まった。


少しだけオレンジ色に染まった川。

流れるそれに入って遊ぶ子供達の姿が視界に入る。

少しだけ下りて芝生に2人並んでそこに腰を下ろした。


お互いに口を開くことなく、ただただその川の流れを見つめていた。

先に口を開いたのは私。


「ねぇ凪君…私と一緒にいて楽しい?」

「楽しいよ」

「そっか…」


友達じゃない今は凪君への接し方がわからない。

自分から気軽に話しかけることすら出来なくなってしまった。

だから沈黙が重い。
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