強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

はぁー、と大きな欠伸をして頬杖をつく。

機嫌が悪いのがとてもよくわかる。


土曜日…学校お休み。

それを聞いて私は盛大に溜め息をついた。

良かった…二人揃って遅刻なんて絶対にしたくない。


それでも起き上がろうとしたその時、少しだけ腰が痛んだ。


……そういえば、准一さんと…

思い出しただけで恥ずかしい記憶が脳内を駆け巡り私は一人ジタバタした。



「…何してるの?」

「な、なんでもない」


いつの間にか起きていた准一さんが頬杖をつきながら私を見ていた。

そしてちゅっと頬にキスをする。


「准一さん?」

「ん…?」


私は布団に潜り込みながら口を開く。


「私は、理事長でも義兄でもある全部の准一さんが好きだからね…?」


昨夜言えなかった言葉を言えば、面食らったような表情をする。

そして嬉しそうに微笑むと腕を引かれて腕の中に引き寄せられた。

素肌同士が重なり准一さんのぬくもりを直に感じる。

その熱にホッと安堵する。
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