強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

いきなりそんなことを聞かれたものだから、私は目をぱちくりさせて准一さんを見つめたまま固まった。


「え…っと…、そういえば誕生日かぁ」



今日は11月10日。

あと一週間後の11月17日は私の18回目の誕生日だ。


冬に近づく寒い季節に私は生まれた。

一昨年と去年の誕生日も准一さんと一緒に迎えたが、それはもう大層なお祝いをしてくれた誕生日だった記憶が真新しい。


一昨年の誕生日、プレゼントされた大きなテディベアのぬいぐるみ。

「結婚できるね?」なんて意地悪そうに言い放った准一さんの顔が思い出される。

今でも私の枕元に置いてあって准一さんが家にいない日は寂しさを埋めるように一緒に寝ていた。


そして去年はペアリングを貰った。

二人の名前が裏側に刻印されたシンプルなデザインのもの。

お揃いの物をつけるのがこんなにも嬉しくてドキドキするものなんだと准一さんのおかげで初めて知ることができた。
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